球戯場
手を使わず、地面に落とすことなくゴムボールを輪に通せば勝ち。マヤの遺跡に残る球技場は生け贄を決めるために行われた。でもそのプレーヤーは地位の低いものではなく、貴族の男性たちだった。
正面に見える三角の窓は尼僧院の入り口のマヤアーチ。背後には大ピラミッドがそびえている。課外学習か、先生と生徒という風のグループがなにやら熱心に勉強している。海外では、美術館や博物館、こうした遺跡などでの授業が日常的に取り入れられているのをよく見かける。先生が教えてくれる歴史や史実がすごくリアルにアタマにはいるだろうな。日本では、学校でそういった所へ出て行くのは『楽しい遠足』という気分が強い(それはわたしの子供時代? いまはどうかな)。

高さ32mの大ピラミッドは傷みがひどいものの、北側の一部修復された階段から登れる。頂上からは一面の緑の海が見渡せ、こんな深い密林になぜウシュマルが? と思わずにはいられない。夕方は本当に静かで、その場に座り、かすかな風を受けてじっと森を見つめた。