球戯場
幅35m、全長150mのコートを高さ8mの石壁が挟んで建つ、古代中部アメリカ最大の球戯場。この手の球戯場は各地で数多く発見されているが、マヤ人にとっての球戯は娯楽ではなく宗教儀式。ゲームは、勝ったチームのキャプテンが栄誉の生け贄となるために開催されたのだ(!)。
チチェン観光の目玉、エルカスティージョの周辺は芝が敷き詰められ、整備された広大な広場。あまりにあっけらかんと広い空にグリーンの広場、そこにいにしえの建築物が点在する様子は遺跡公園といった趣。密林の奥地で発見された!という、(憧れの)古代遺跡のイメージからは、ほど遠い。

が、新チチェン、戦士の神殿の裏側に続く森の中の小道を行くと、そこには市場やスチームバスの跡、コンパクトな球戯場の遺構がある。無造作に遺されているこの辺りを歩いていると、インパクトはないけれど少しだけマヤの時代が想像できる。

生け贄の泉へ続く道は、まるで神社の参道のようで、道の両脇には地面に民芸品を広げた露店が並ぶ。それを冷やかして歩くのも楽しい。