十字架の神殿から望む
天文学の知識に優れた王たちが統治した、6〜8世紀が全盛期というマヤ文明の都市国家パレンケ。一望に見渡せる遺跡群には、滅びて以来、深い密林に眠っていた悠久の時を思わせる濃い緑が迫っている。
パレンケ遺跡は、今でもその全貌が明らかになっているわけではない。修復が済んでいる建物に迫るジャングルの奥には、たくさんの放置された建物が眠っているらしい。

この写真を撮ったあと、先生にともなわれて来ていた研究グループが森の中に入っていくのをまねて、細い山道を下っていくと、それは宮殿の裏側にアクセスするけもの道。また、遺跡を縦走している水路(宮殿の後方は地下水道となっている!)をたどってゆくと、鬱蒼とした森にガイドブックに載ってないような建物がいくつも点在していた。

まだまだ発掘途上であるパレンケは、想像力を持ってすれば簡単にマヤ時代に思いを馳せることができる、ロマンたっぷりの魅力ある遺跡だったのだ。