壁龕のピラミッド
高さ25m、6層の基壇が重なった造り。各基壇の窓のようなくぼみは365個、1年分の日数と同じで、建物そのものがカレンダーの役目を果たしていたと考えられている。メキシコ湾に近い土地柄、稲妻やハリケーンを祀ったピラミッドである。
8時半開園のだいぶ前に着いて、遺跡入り口の扉が開かれるを待った。クリスマスの朝、エルタヒン一番乗り☆ 深い芝は朝露に濡れ、空は高く空気は冷たく澄んでいる。今日のまだ誰も汚していない神聖で厳かな雰囲気が辺り一面に漂っている。

エルタヒンもほかの地の遺跡同様、美しく整備管理されているけれど、なぜか古代の人々が行き交って暮らす活気が見えるように感じられる。それは、ここが密林の奥地にあったがゆえに、500年という時間がジャングルでこの遺跡を覆い、比較的保存状態よく発見されたからだろうか。いにしえの建造物が連立するさまは、なぜか不思議なリアリティを感じさせる。