南の球戯場の壁面『生け贄のレリーフ』
球戯場の壁に、そこで行われていたゲームが生け贄を決める神事であったことを物語るレリーフが飾られている。神官の手にする剣が、人に押さえ込まれた選手の心臓をえぐる瞬間だ。球戯場の壁のそこここに、さまざまなモチーフのレリーフが遺っている。
エルタヒン遺跡には、大きなもので11、一帯には大小合わせると17もの球戯場が確認されていることから、古代球戯の発祥の地とされる説がある。その球戯は単なる娯楽ではなく、神への生け贄を決める聖なる儀式であったというのだから…。そして球戯場は宇宙を表し、ボールは太陽を意味していたとか。

広い敷地を散策していると、ぶ〜〜んと地鳴りのような音がする。聞こえてくる方向を見ると、満開の花を付けた大木を無数の蜂が雲霞のごとく覆っている。こわ〜っ!

朝の空気感がよかったのか、わたしはこのエルタヒンが好きだ。パカル王の石棺レリーフに以前から興味があった夫は、パレンケがきっと好きだろう。